# 共有持分
共有名義から単独名義に変更する費用はいくら?方法別の税金・手続きを解説
「共有名義の不動産を、自分ひとりの単独名義にしたい。でも費用がいくらかかるのか分からない」親子や夫婦、兄弟で持ち合った不動産をひとつの名義にまとめるとき、まず気になるのが費用です。結論から言うと、共有名義から単独名義への変更にかかる費用は、①登録免許税(固定資産税評価額×税率)と、②司法書士に依頼する場合の報酬(所有権移転登記でおおむね5~10万円)が基本です。これに、変更の原因(贈与・売買・財産分与・相続)に応じて、不動産取得税・贈与税・譲渡所得税などの税金が加わります。この記事では、方法別の費用と税金、費用シミュレーション、手続きの流れまでを、国税庁や法務省など公的な情報をもとに整理します。
- 共有名義から単独名義への変更とは
- 単独名義にするメリット
- 共有名義から単独名義に変更する4つの方法
- ① 贈与|親子・夫婦などで無償で持分を移す
- ② 売買|他の共有者の持分を買い取る
- ③ 財産分与|離婚で夫婦の共有名義を解消する
- ④ 相続|共有者の死亡で持分を引き継ぐ
- 共有名義から単独名義に変更する費用の内訳
- ① 登録免許税(必ずかかる)
- ② 司法書士報酬(依頼する場合)
- ③ 必要書類の取得実費
- 【方法別】共有名義から単独名義に変更するとかかる税金
- 贈与|もらう側に贈与税
- 売買|売る側に譲渡所得税・印紙税
- 財産分与|渡す側に譲渡所得税(みなし譲渡)
- 相続|税負担は軽いが登記義務化に注意
- 費用シミュレーション(登録免許税の早見表)
- 手続きの流れと必要書類
- 主な必要書類
- どうしても単独名義への変更が進まないときの選択肢
- 実際に持分売却で解決した事例
- 共有持分の売却についてお悩みの方は「持分ガイド」に相談!
- 持分ガイド 3つの安心
- よくある質問(FAQ)
- Q. 共有名義を単独名義にするにはどうすればいい?
- Q. 共有名義から名義変更するにはいくらかかる?
- Q. 名義変更は自分でできる?
- Q. 共有者が同意してくれない場合は?
- 共有名義から単独名義に変更する費用を把握しておこう
共有名義から単独名義への変更とは

共有名義とは、1つの不動産を複数人が「持分」という割合で共同所有している状態です。単独名義への変更とは、他の共有者の持分を1人に集約し、所有権移転登記によって名義を1人にまとめる手続きを指します。
ポイントは、どの方法をとっても「他の共有者が自分の持分を手放すことに合意している」ことが前提になる点です。合意がないまま相手の持分を勝手に自分の名義にすることはできません。
単独名義にするメリット
売却・担保設定・リフォームなどの意思決定を1人で行える(共有者の同意が不要になる)
相続が発生して権利者がさらに増える前に、権利関係を整理できる
固定資産税や管理費の負担・精算をめぐる共有者間のトラブルを避けられる
共有名義から単独名義に変更する4つの方法

共有者の持分を1人に集める方法は、主に次の4つです。「誰の持分を・どんな理由で移すか」によって選ぶ方法が変わり、かかる税金も変わります。
① 贈与|親子・夫婦などで無償で持分を移す
お金のやり取りなしで持分を譲り受ける方法です。親子間・夫婦間で多く使われます。無償でもらう側に贈与税がかかる可能性がある点に注意が必要です。
② 売買|他の共有者の持分を買い取る
他の共有者の持分を、対価を払って買い取る方法です。兄弟間などで使われます。売った側に譲渡所得税、売買契約書に印紙税がかかる場合があります。
③ 財産分与|離婚で夫婦の共有名義を解消する
離婚時に、夫婦が結婚生活で築いた共有財産を清算する方法です。不動産を渡した側に譲渡所得税がかかる場合があります。
④ 相続|共有者の死亡で持分を引き継ぐ
共有者が亡くなり、その持分を相続によって1人が引き継ぐ方法です。登録免許税が低く不動産取得税も非課税ですが、2024年4月から相続登記が義務化されている点に注意します。
共有名義から単独名義に変更する費用の内訳

方法にかかわらず共通してかかるのが「所有権移転登記」に関する費用です。内訳は次の3つです。
① 登録免許税(必ずかかる)
登記の際に国へ納める税金です。課税標準は原則として「固定資産税評価額」(売買価格ではありません)で、税率は移転の原因によって異なります。
登記の原因 | 税率(土地・建物) |
相続・共有物の分割 | 0.4% |
売買 | 2.0%(土地は令和11年3月31日まで1.5%に軽減) |
贈与・財産分与・交換など | 2.0% |
移転するのは「他の共有者の持分」なので、課税標準はその持分に対応する評価額になります。
※共有物分割による移転登記は0.4%ですが、分割前の持分割合を超える部分の取得は、贈与などとして2.0%や不動産取得税の対象になり得ます。適用の可否は登記の原因の立て方で変わるため、司法書士に確認してください。
② 司法書士報酬(依頼する場合)
所有権移転登記を司法書士に依頼する場合の報酬は、おおむね5~10万円が目安です(案件の難易度・地域・事務所によって変わり、法的な上限はありません)。書類作成から法務局への申請までを代行してもらえます。
③ 必要書類の取得実費
登記に必要な証明書の取得費です。登記事項証明書(600円)、戸籍謄本(450円)、固定資産評価証明書(300円程度)など、合計で数千円程度が目安です。
自分で手続きすれば司法書士報酬は節約できる
所有権移転登記は資格がなくても自分で申請でき、その場合は司法書士報酬(5~10万円)を節約できます。ただし、複数の書類を正確にそろえる必要があり、法務局は平日日中しか開いていないため手間がかかります。とくに相続登記は3年以内の期限があるため、権利関係が複雑な場合は専門家への依頼が無難です。
【方法別】共有名義から単独名義に変更するとかかる税金
登録免許税に加えて、変更の原因ごとに次の税金がかかる場合があります。まず全体像を一覧で確認しましょう。
方法 | 登録免許税 | 不動産取得税 | その他の税金 |
贈与 | 2.0% | 課税 | もらう側に贈与税 |
売買 | 2.0%(土地1.5%) | 課税 | 売る側に譲渡所得税/印紙税 |
財産分与 | 2.0% | 内容により分かれる | 渡す側に譲渡所得税/受取側は原則非課税 |
相続 | 0.4% | 非課税 | 相続税(基礎控除超のとき) |
※不動産取得税は本則4%。令和9年3月31日までに取得した土地・住宅は3%、宅地は課税標準が評価額の1/2に軽減されます。相続は非課税、贈与・売買は課税されます。
贈与|もらう側に贈与税
暦年課税では年110万円の基礎控除があり、これを超える持分の評価額に対して贈与税がかかります。税率は、直系尊属(父母・祖父母)から18歳以上の子・孫への贈与に使う「特例税率」と、それ以外の「一般税率」があり、いずれも10~55%の累進課税です。
親子間の生前贈与では相続時精算課税制度(累計2,500万円の特別控除)、婚姻20年以上の夫婦間の居住用不動産贈与では配偶者控除(最高2,000万円)といった制度も利用できます。
参照:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」
売買|売る側に譲渡所得税・印紙税
持分を売って利益(譲渡益)が出た場合、売った側に譲渡所得税がかかります。税率は所有期間で異なり、短期(5年以下)は39.63%、長期(5年超)は20.315%です(いずれも所得税・住民税・復興特別所得税の合計)。
また、売買契約書には契約金額に応じた印紙税がかかります(軽減後の例:100万円超500万円以下=1,000円、500万円超1,000万円以下=5,000円。令和9年3月31日まで)。
参照:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」/国税庁「No.7108 印紙税の軽減措置」
財産分与|渡す側に譲渡所得税(みなし譲渡)
不動産で財産分与すると、渡した側は税法上「時価で譲渡した」とみなされ、購入時より値上がりしていれば譲渡所得税がかかります(国税庁 No.3114)。マイホームであれば3,000万円特別控除が使えますが、配偶者間の譲渡では適用できないため、離婚が成立してから名義変更するのがポイントです。
財産を受け取った側は原則として非課税です(ただし分与が過大な場合や偽装離婚とみなされる場合は贈与税の対象)。不動産取得税は、夫婦の共有財産を清算する「清算的財産分与」であれば非課税とされる扱いが多いものの、都道府県の運用で分かれるため、事前に都道府県税事務所へ確認してください。
参照:国税庁「No.3114 離婚して土地建物などを渡したとき」
相続|税負担は軽いが登記義務化に注意
相続で持分を引き継ぐ場合、登録免許税は0.4%と低く、不動産取得税は非課税です。ただし2024年4月1日から相続登記が義務化され、取得を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になります(施行前の相続も対象で、その場合の期限は2027年3月31日)。
費用シミュレーション(登録免許税の早見表)
移転する持分に対応する固定資産税評価額別に、登録免許税の目安をまとめました。
評価額(移転持分) | 相続・共有物分割 | 0.4% | 売買 2.0% | (土地1.5%) | 贈与・財産分与 | 2.0% |
500万円 | 2万円 | 10万円(土地7.5万円) | 10万円 | |||
1,000万円 | 4万円 | 20万円(土地15万円) | 20万円 | |||
1,500万円 | 6万円 | 30万円(土地22.5万円) | 30万円 |
この登録免許税に加えて、司法書士へ依頼する場合は報酬5~10万円+実費数千円、方法によっては不動産取得税・贈与税・譲渡所得税が上乗せされます。
課税標準は固定資産税評価額です。実際の税額は評価額・持分割合・軽減措置の適用可否で変わります。正確な金額は固定資産評価証明書を確認のうえ、司法書士・税理士に見積もりを依頼してください。
手続きの流れと必要書類
変更の原因(贈与・売買・財産分与・相続)と、誰の持分を移すかを共有者と合意する
原因を示す書類(売買契約書・贈与契約書・財産分与契約書・遺産分割協議書など)を作成する
固定資産評価証明書で評価額を確認し、登録免許税を計算する
法務局に所有権移転登記を申請する(自分で、または司法書士に依頼)
主な必要書類
登記識別情報(権利証)、印鑑証明書、固定資産評価証明書、住民票などに加え、原因に応じて売買契約書・贈与契約書・財産分与に関する書類・遺産分割協議書などが必要です。ケースにより異なるため、事前に法務局や司法書士へ確認しましょう。
どうしても単独名義への変更が進まないときの選択肢

ここまでの4つの方法は、いずれも「他の共有者が持分を手放すことに合意する」ことが前提です。しかし実際には、次のような理由で単独名義化が何年も進まないケースは少なくありません。
共有者と連絡が取れない、話し合いがまとまらない
相手(元配偶者・兄弟など)とこれ以上関わりたくない
相手に買い取る資力がない、贈与税・譲渡所得税の負担が読めない
そんなときは、「相手の持分を集めて単独名義にする」のではなく、自分の持分だけを第三者(専門の買取業者など)に売却して共有関係から抜けるという選択肢があります。共有者全員の合意がなくても、自分の持分は自分の意思で手放すことができます。
実際に持分売却で解決した事例
たとえば、離婚後も元配偶者とのマンションの共有名義が続き、「単独名義にしたいが相手と交渉したくない」と悩んでいた40代女性(埼玉県川越市)のケースでは、通常の不動産会社に「共有者全員の同意が必要」と言われて行き詰まっていました。
このケースでは、名義変更ではなく“自分の持分だけを売却”することで、相手方と直接交渉せずに共有関係を解消。相談から約3週間・180万円で解決しました。
※掲載の金額は過去の持分売却による解決事例であり、物件状況・権利関係・エリア等により査定結果は異なります。
担当者は、次のように話しています。
「共有名義の解消=元配偶者と交渉しなければならない」と思い込んでいる方はとても多いです。でも実際には、自分の持分だけを第三者に売却するという選択肢があります。
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よくある質問(FAQ)

Q. 共有名義を単独名義にするにはどうすればいい?
A. 他の共有者の持分を、贈与・売買・財産分与・相続のいずれかで1人に集約し、所有権移転登記を行います。いずれの方法も、共有者が持分を手放すことへの合意が前提です。
Q. 共有名義から名義変更するにはいくらかかる?
A. 基本は登録免許税(固定資産税評価額×0.4~2.0%)と、司法書士へ依頼する場合の報酬5~10万円です。これに方法により不動産取得税・贈与税・譲渡所得税が加わります。
Q. 名義変更は自分でできる?
A. 所有権移転登記は自分でも申請でき、司法書士報酬を節約できます。ただし書類準備や平日日中の法務局対応の手間があり、相続登記には3年以内という期限があります。
Q. 共有者が同意してくれない場合は?
A. 相手の持分を集める方法は使えませんが、“自分の持分だけを売却する”ことは相手の合意がなくても可能です。共有関係から抜ける現実的な選択肢になります。
共有名義から単独名義に変更する費用を把握しておこう
共有名義から単独名義への変更にかかる費用は、登録免許税(評価額×0.4〜2.0%)と司法書士報酬(5〜10万円)が基本で、選ぶ方法によって不動産取得税・贈与税・譲渡所得税が加わります。相続は税負担が軽い一方、合意が前提となる贈与・売買・財産分与は話し合いがまとまらないと進みません。費用や共有者との関係に不安がある場合は、自分の持分だけを売却する選択肢も含めて早めに専門家へ相談しましょう。
費用の基本は「登録免許税(評価額×0.4~2.0%)+司法書士報酬5~10万円」
方法(贈与・売買・財産分与・相続)によって税率と追加の税金(不動産取得税・贈与税・譲渡所得税)が変わる
相続は税負担が軽い一方、2024年4月から相続登記が義務化(3年以内・10万円以下の過料)
合意できない・相手と関わりたくない場合は、自分の持分だけを売却する選択肢がある
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担当者
株式会社CLOUD HOMe 主任
本橋 陽加里
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