2026.07.24

# 共有持分

共有持分割合とは?決め方や確認方法・トラブル防止策を解説!

共有持分割合とは、不動産を複数人で所有する際の権利の割合を示すものです。本記事では、共有持分割合の確認方法、購入時・相続時の決め方、計算方法、贈与税や住宅ローンに関する注意点、トラブルを防ぐ方法までわかりやすく解説します。

共有持分割合とは

共有持分割合とは

共有持分割合とは、不動産を複数人で共有している場合に、それぞれの共有者がどの程度の権利を持っているかを示す割合のことです。「持分」とも呼ばれ、登記簿にも記載されます。

例えば、夫婦で住宅を購入し、それぞれ2分の1ずつの持分で登記した場合は、夫婦ともに不動産全体に対して2分の1の権利を持つことになります。持分割合は土地や建物の一部分を所有するという意味ではなく、不動産全体に対する権利の割合を表している点が特徴です。

共有持分割合は、不動産を購入する際だけでなく、相続によって複数人が所有者となる場合にも発生します。また、持分割合は売却代金の分配や固定資産税などの負担、共有持分の売却にも関わる重要な要素です。

そのため、共有名義にする際は、持分割合を十分に検討したうえで決めることが大切です。後から変更することも可能ですが、登記手続きや税金が発生する場合があるため、慎重に判断しましょう。

共有持分割合を確認する方法

共有持分割合は、不動産の権利関係を把握するうえで重要な情報です。現在の持分割合を確認したい場合は、登記事項証明書(登記簿謄本)を確認するのが一般的です。

登記事項証明書には、不動産の所有者とそれぞれの持分割合が記載されています。法務局の窓口で取得できるほか、オンラインで請求することも可能です。共有名義の不動産であれば、「持分〇分の〇」といった形で各所有者の割合を確認できます。

また、不動産を購入した際の売買契約書や登記識別情報通知書、相続によって取得した場合は遺産分割協議書や遺言書などから持分割合を確認できることもあります。

なお、実際の出資額と登記されている持分割合が一致しているとは限りません。共有名義の不動産を所有している場合は、一度登記事項証明書を確認し、現在の権利関係を把握しておくことをおすすめします。

共有持分割合を決めるタイミング

共有持分割合は、不動産を共有名義にする際に決めます。代表的なタイミングとしては、不動産を相続したときと、不動産を購入したときの2つが挙げられます。どちらの場合であっても、一度決めた持分割合はその後の権利関係や売却、税金などに影響する点は理解しておきましょう。

不動産を相続した時

相続によって複数の相続人が1つの不動産を取得する場合は、共有名義となり、それぞれの共有持分割合を決める必要があります。持分割合は、遺言書の内容や遺産分割協議、法定相続分などをもとに決めるのが一般的です。

メリット

共有名義にすることで、不動産を現金化しなくても、複数の相続人がそれぞれ権利を取得できます。実家を残したい場合や、すぐに売却する予定がない場合でも、相続人全員が所有者として関われる点がメリットです。

また、不動産を単独で取得する人に代償金を支払う余裕がない場合でも、共有にすることで財産を分けやすくなることがあります。

デメリット

不動産を共有すると、売却や賃貸、大規模な修繕などを行う際に、他の共有者との話し合いが必要になります。共有者同士の意見が合わなければ、不動産を有効に活用できない可能性があります。

さらに、共有者の1人が亡くなると、その持分が次の相続人へ引き継がれます。相続を繰り返すうちに共有者が増え、連絡や意思決定が難しくなる点にも注意が必要です。

不動産を購入した時

夫婦や親子などが共同で資金を出し合って不動産を購入する場合は、購入時に共有持分割合を決めます。持分割合は、頭金や住宅ローンを含めた実際の出資額に応じて設定するのが一般的です。

メリット

共有名義にすることで、資金を負担した人が出資額に応じた所有権を持てます。ペアローンや収入合算を利用することで、借入可能額を増やしやすくなり、単独では購入が難しい物件を検討できることもあります。

また、一定の要件を満たせば、それぞれが住宅ローン控除を受けられる可能性があります。将来不動産を売却した場合も、持分割合に応じて売却代金を分けられるため、権利関係を明確にしやすい点もメリットです。

デメリット

共有名義の不動産を全体として売却するには、原則として共有者全員の同意が必要です。離婚や家族関係の変化によって意見が合わなくなると、売却や住み替えが進みにくくなることがあります。

加えて、持分割合と実際の出資額が一致していない場合は、贈与税が発生する可能性があります。住宅ローンの返済負担や諸費用も含め、誰がいくら負担するのかを購入前に明確にしておくことが大切です。

不動産を相続する際の共有持分割合の決め方

相続した不動産を複数人で所有する場合、共有持分割合は遺言書や相続人同士の話し合いなどによって決まります。持分割合は相続後の管理や売却にも関わるため、将来の利用方法まで考慮して決めることが大切です。不動産を相続する際の共有持分割合の決め方について、具体的に解説します。

遺言書に従う

被相続人が有効な遺言書を残している場合は、原則としてその内容に従って不動産を相続します。例えば「長男に2分の1、長女と次男にそれぞれ4分の1を相続させる」と記載されていれば、その割合をもとに相続登記を行います。

しかし、遺言書の形式に不備がある場合や、ほかの相続人の遺留分に関する問題が生じる場合もあります。内容に疑問があるときは、自己判断で登記を進めず、司法書士や弁護士に確認しましょう。

遺産分割協議で決める

遺言書がない場合や、遺言書に記載されていない財産がある場合は、相続人全員で遺産分割協議を行います。協議がまとまれば、法定相続分とは異なる持分割合にすることも可能です。

決定した内容は遺産分割協議書にまとめ、相続人全員が署名・押印します。不動産を安易に共有すると将来的に意思決定が難しくなることがあるため、誰が利用するのか、売却予定があるのかも踏まえて話し合いましょう。

法定相続分に従う

遺言書がなく、遺産分割協議も行わない場合は、民法で定められた法定相続分に応じて不動産を共有することになります。例えば、相続人が配偶者と子ども2人の場合、配偶者が2分の1、子どもがそれぞれ4分の1を相続するのが基本です。

法定相続分は公平な基準ですが、不動産の利用状況や相続人の希望まで反映した割合とは限りません。共有状態を避けたい場合は、特定の相続人が不動産を取得し、ほかの相続人へ代償金を支払う方法なども検討するとよいでしょう。

不動産を購入する際の共有持分割合の決め方

夫婦や親子などで不動産を共同購入する場合は、それぞれが実際に負担する金額をもとに共有持分割合を決めるのが基本です。購入価格だけでなく、頭金や住宅ローンの借入額、自己資金なども含めて負担額を確認しましょう。

持分割合を曖昧にすると、登記後に贈与税や売却代金の分配を巡る問題が生じる可能性があります。契約前に負担額を確認し、その内容を登記へ正確に反映させることが大切です。

持分割合の決め方・計算方法

共有持分割合は、各共有者の出資額を不動産の購入代金で割って計算します。基本的な計算式は、以下の通りです。

  • 共有持分割合=各共有者の出資額÷不動産の購入代金

例えば、5,000万円の不動産を購入し、夫が3,000万円、妻が2,000万円を負担する場合、夫の持分は5分の3、妻の持分は5分の2となります。

住宅ローンを利用する場合は、借入名義だけでなく、実際に誰が返済するのかも確認が必要です。また、購入時の諸費用を持分計算に含めるかどうかは、費用の性質によって判断が異なることがあります。

計算が複雑な場合や親族から資金援助を受ける場合は、登記前に司法書士や税理士へ相談をしましょう。

共有持分割合を決める際の注意点

共有持分割合は、一度決めて登記すると簡単には変更できません。持分割合の設定を誤ると、税金や住宅ローン、将来の費用負担などに影響する可能性があります。共有名義で不動産を取得する際は、権利関係だけでなく、金銭の負担についても事前に確認しておきましょう。

出資額と持分割合が違うと贈与税がかかる可能性がある

共有持分割合は、原則として実際の出資額に応じて設定します。例えば、購入資金をすべて夫が負担したにもかかわらず、夫婦で2分の1ずつの持分にすると、妻が負担していない分の権利を取得したとみなされ、贈与税の課税対象になる可能性があります。

親族間で資金援助を受ける場合も同様です。出資額と持分割合が一致しているかを確認し、不明な点がある場合は税理士などへ相談しましょう。

「住宅ローン控除の適用」と返済負担を確認する

夫婦で住宅ローンを利用する場合は、借入名義と実際の返済負担が持分割合と整合しているか確認することが重要です。

例えば、夫婦それぞれが住宅ローンを借り入れる場合は、基本的に負担額に応じて持分割合を設定します。返済割合と持分割合に大きな差があると、税務上の問題が生じる可能性があるため注意が必要です。

固定資産税や修繕費の負担割合を明確にしておく

不動産を共有すると、固定資産税や修繕費、管理費などの費用が継続的に発生します。法律上の負担と実際の支払い方法が異なる場合もあるため、誰がどの費用を負担するのかを事前に話し合っておくことが大切です。

特に夫婦や親族間では口約束だけで済ませてしまうことがありますが、将来的なトラブルを防ぐためにも、費用負担のルールを明確にしておくと安心です。

共有持分割合でトラブルになりやすいケース

共有持分割合が実際の負担額や共有者の認識と一致していないと、税金や売却、管理を巡るトラブルにつながることがあります。特に、購入時や相続時に十分な話し合いをせずに持分割合を決めた場合は注意が必要です。

ここでは、共有持分割合でトラブルになりやすいケースについて詳しく解説します。

出資額と登記割合が一致していない

不動産の購入資金を負担した割合と、登記上の共有持分割合が異なると、共有者同士で不公平感が生じることがあります。売却時には、原則として登記上の持分割合をもとに代金を分配するため、実際の出資額と受け取る金額が合わないケースもあります。

また、負担していない部分の持分を取得したと判断されると、贈与税が課される可能性もあります。購入時の出資額やローン返済額を記録し、登記内容と一致しているか確認することが大切です。

相続した不動産の持分割合に納得できない

相続では、遺言書や遺産分割協議、法定相続分によって共有持分割合が決まります。しかし、不動産を管理してきた人や、被相続人と同居していた人が持分割合に納得できず、相続人同士で対立することがあります。

共有状態のまま相続すると、誰が住むのか、費用を誰が負担するのかといった問題も生じやすいです。持分割合だけでなく、相続後の利用方法も含めて話し合いを行いましょう。

共有者の一部が売却や管理に協力しない

共有不動産全体を売却するには、原則として共有者全員の同意が必要です。そのため、共有者の一部が売却に反対すると、買主が見つかっても手続きを進められません。

修繕や賃貸などの管理についても、共有者間で意見が分かれることがあります。連絡が取れない共有者や費用を負担しない共有者がいると、不動産を適切に維持・活用できなくなる可能性があります。

こうした膠着状態では、共有者全員の合意を待たずに「自分の持分だけを売却して共有関係から抜ける」という選択肢もあります。実際、相続した戸建てを兄弟と共有していた50代男性(神奈川県相模原市)は、兄弟の一人が売却に同意せず数年間動けずにいましたが、自分の持分だけを売却する方法で、相談から約1か月半で解決しました。

▶ この事例の詳細を見る:兄弟で相続した実家の持分を約1か月半で手放せた事例※金額・期間は過去の事例であり、物件状況・権利関係・エリア等により結果は異なります。

共有持分割合に関するトラブルを防ぐ方法

共有持分割合を巡るトラブルを防ぐには、不動産を取得する段階で権利関係と費用負担を明確にしておくことが重要です。家族や親族同士であっても口約束にせず、将来の売却や相続まで見据えたルールを設けておきましょう。

購入前に出資額と登記割合を整理しておく

共有名義で不動産を購入する場合は、頭金や住宅ローンを含め、それぞれが負担する金額を事前に確認します。そのうえで、出資額に応じた持分割合を登記へ反映させましょう。

購入代金の振込記録やローン契約書など、出資内容を確認できる資料も保管しておくことが大切です。負担額が途中で変わる場合は、税務上の問題が生じないか確認する必要があります。

共有者同士で費用負担や売却方針を話し合っておく

固定資産税や修繕費、管理費などを誰がどの割合で負担するのかを決めておきましょう。持分割合に応じて負担する方法のほか、利用状況を踏まえて分担する方法も考えられます。

また、将来売却する場合の条件や、共有者の一人が持分を手放したい場合の対応についても話し合っておくと安心です。合意内容は書面に残すことで、認識の違いを防ぎやすくなります。

もっとも、その話し合い自体が難しいケースもあります。共有者と長年連絡が取れない場合などです。連絡の取れない共有者がいる古家付き土地(千葉県松戸市・60代男性)では、共有物分割や弁護士への相談も検討したうえで、最終的に自分の持分だけを売却し、相談から約2か月で問題を前に進められました。合意形成が難しいときは、自分の持分だけを手放す方法も検討できます。

▶ この事例の詳細を見る:連絡の取れない共有者がいる土地の持分を約2か月で売却
※金額・期間は過去の事例であり、結果は異なります。

不安がある場合は司法書士・税理士・弁護士に相談する

登記手続きは司法書士、贈与税や相続税は税理士、共有者間の対立や法的な問題は弁護士が主な相談先です。問題の内容に応じて、適切な専門家を選びましょう。

特に、出資額と持分割合が異なる場合や、相続人同士で意見がまとまらない場合は、自己判断で進めると問題が複雑になる可能性があります。不動産の取得や登記を行う前に相談することで、トラブルを防ぎやすくなります。

共有持分割合についてお悩みの方は「持分ガイド」に相談!

共有持分割合についてお悩みの方は「持分ガイド」に相談!

共有持分割合に関する問題は、法律・税務・不動産の知識が複雑に絡み合います。 「誰に相談すればいいかわからない」「業者に連絡したら強引だった」という声は、後を絶ちません。

[共有持分・売りづらい不動産を相談する]

持分ガイドは、共有持分の問題解決に特化した相談窓口です。 専門家が直接対応するため、たらい回しや的外れなアドバイスとは無縁です。まずは状況をお聞かせください。相談・査定は完全無料、秘密厳守でお受けします。

■持分ガイド 3つの安心

  • 相談・査定 0円 月間相談件数800件以上の実績

  • 急ぎの相談にもスピード対応

  • 専門家(不動産鑑定士・弁護士)が直接担当

[共有持分・売りづらい不動産を相談する]

共有持分割合に関するよくある質問

共有持分割合については、さまざまな疑問やトラブルが生まれやすいです。ここでは、共有持分割合に関するよくある質問に回答します。

Q. 共有持分割合は自由に決められますか?

不動産を購入する場合は、共有者同士の合意によって持分割合を決めることができます。しかし、実際の出資額とかけ離れた割合で登記すると、贈与税が課される可能性があるため注意が必要です。

Q. 持分割合と住宅ローンの返済割合が違うとどうなりますか?

住宅ローンの返済負担と持分割合が大きく異なる場合は、実際に負担していない人へ利益を移転したと判断され、贈与税の対象となる可能性があります。

共有名義で住宅を購入する際は、借入額や返済負担を踏まえ、持分割合との整合性を確認しておくことが大切です。

Q. 共有持分割合は後から変更できますか?

共有持分割合は、持分の贈与や売買などによって変更できます。しかし、所有権移転登記が必要となるほか、変更方法によっては贈与税や登録免許税などの税金が発生する場合があります。変更を検討している場合は、事前に司法書士や税理士へ相談すると安心です。

Q. 自分の共有持分だけ売却できますか?

共有持分は、自分の持分だけであれば原則として売却できます。共有不動産全体を売却する場合のように、ほかの共有者全員の同意は必要ありません。

共有持分割合は出資額・登記・税金を確認して決めよう

共有持分割合は、売却代金の分配や固定資産税・修繕費の負担、相続時の権利関係に関わるため、曖昧なまま決めてしまうと後々トラブルにつながる可能性があります。共有持分割合に関するトラブルを防ぐには、購入前や相続時点で出資額、将来的な売却方針などを共有者同士で確認しておくことが大切です。自分たちだけで判断が難しい場合は、司法書士・税理士・弁護士などの専門家に相談し、登記や税金、権利関係を整理したうえで進めましょう。

担当者

株式会社CLOUD HOMe 主任

本橋 陽加里

売却・買取・活用など、ご事情に合わせた選択肢をご案内します。相続・空き家・共有名義など「何から相談すればよいかわからない」段階からでも安心。最初から答えが決まっていなくても、一緒に整理していきましょう...

リストに戻る

カンタン60秒

email

共有持分・売りづらい不動産を相談する