2026.08.31

# 共有持分

準共有持分とは?共有持分との違いや割合の決め方を解説!

準共有持分とは、所有権以外の権利を複数人で持ち合う状態のことです。本記事では、共有との違いや準共有の対象となる権利、持分割合の決め方、マンションの敷地権における扱いまでわかりやすく解説します。

準共有持分とは

準共有持分とは、所有権以外の財産権を複数人で持ち合っている場合の、それぞれの権利割合を指します。土地や建物などの「所有権」を複数人で持つ場合は共有と呼ばれますが、借地権や賃借権、信託受益権などの権利を複数人で持つ場合は準共有と呼ばれます。

例えば、相続によって借地権を複数の相続人が引き継いだ場合、その借地権は準共有状態になります。この際に各相続人が持つ権利割合が準共有持分です。

準共有は、権利の対象が土地や建物そのものではなく、一定の財産的価値を持つ権利である点が特徴です。ただし、管理や処分の基本的な考え方は共有と似ており、持分割合や他の準共有者との合意が重要になります。

準共有持分を持っている場合、自分だけでできる行為と、他の準共有者の同意が必要な行為があります。権利の種類によって扱いが変わることもあるため、準共有状態になっている権利の内容を正しく確認しておくことが大切です。

準共有持分と共有持分の違い

準共有持分と共有持分の違いは、対象となる権利の種類です。共有持分は、土地や建物などの所有権を複数人で持っている場合の権利割合を指します。一方で。準共有持分は、所有権以外の権利を複数人で持っている場合の権利割合を指します。

例えば、土地を兄弟で所有している場合は共有持分です。一方、借地権や賃借権などを複数人で持っている場合は準共有持分になります。

項目

共有持分

準共有持分

対象

所有権

所有権以外の財産権

具体例

土地・建物の所有権

借地権・賃借権・信託受益権など

権利の性質

物そのものを所有する権利

財産的価値のある権利を持つ状態

基本的なルール

共有の規定が適用される

共有の規定が準用される

準共有は、共有とまったく別の制度ではありません。民法では、所有権以外の財産権を複数人で持つ場合にも、共有に関する規定が準用されます。そのため、保存行為や管理行為、変更・処分行為に関する考え方は共有持分と似ています。

しかし、準共有は対象となる権利の内容によって扱いが変わる場合があります。借地権や賃借権では契約内容の制限を受けることがあり、信託受益権や知的財産権では権利ごとのルールを確認する必要があります。どの権利を準共有しているのかを確認することが大切です。

準共有の対象となる主な権利

準共有の対象になるのは、所有権以外の財産的価値がある権利です。土地や建物そのものを複数人で所有する場合は共有ですが、不動産を利用する権利や利益を受け取る権利などを複数人で持つ場合は準共有になります。ここでは、準共有の対象となる主な権利を解説します。

借地権

借地権とは、建物を所有する目的で土地を借りる権利です。相続などによって借地権を複数人で引き継いだ場合、その借地権は準共有状態になります。

借地権には財産的価値があるため、売却や譲渡の対象になることがあります。ただし、借地権を譲渡する場合は、地主の承諾が必要になるケースが一般的です。そのため、借地権の準共有持分を扱う際は、準共有者同士の合意だけでなく、地主との契約内容も確認する必要があります。

賃借権

賃借権とは、賃貸借契約に基づいて物を借りて使用する権利です。不動産の賃借権を複数人で持っている場合、その権利は準共有となります。

賃借権は、契約内容によって利用方法や譲渡の可否が制限されることがあります。特に、賃貸人の承諾なく第三者へ譲渡したり、無断で使用者を変更したりすると、契約違反になる可能性があります。準共有者の一部だけで賃借権を処分するのは難しいため、契約書の内容を確認したうえで対応することが大切です。

担保権

抵当権や質権などの担保権も、複数人で持つ場合は準共有の対象になります。担保権とは、債権を回収するために不動産や財産に設定される権利です。

担保権を準共有している場合、各準共有者は持分に応じた権利を持ちます。ただし、担保権は債権と密接に関係するため、単独で自由に処分できるとは限りません。債権者が複数いる場合や、相続によって担保権を承継した場合は、権利関係が複雑になりやすいため、専門家に確認しながら整理すると安心です。

信託受益権

信託受益権とは、信託された財産から利益を受ける権利です。不動産信託などでは、信託財産そのものではなく、信託受益権を複数人で持つことがあります。

信託受益権を複数人で持つ場合、それぞれの権利割合が準共有持分になります。収益の分配や権利の譲渡については、信託契約の内容に従って判断されます。信託受益権は通常の不動産所有権とは扱いが異なるため、契約書や信託の内容を確認したうえで、管理や処分の方法を判断することが重要です。

知的財産権

特許権や著作権などの知的財産権も、複数人で持つ場合は準共有の対象になることがあります。知的財産権は形のある物ではありませんが、経済的価値を持つ権利です。

しかし、知的財産権は種類によって独自のルールがあります。たとえば、特許権の持分譲渡や著作権の利用許諾では、他の権利者との関係を確認する必要があります。

そのため、知的財産権の準共有では、民法上の準共有ルールだけでなく、それぞれの権利に関する法律や契約内容も確認することが大切です。

マンションにおける準共有持分

マンションでは、専有部分である部屋だけでなく、建物が建っている土地を利用する権利も関係します。この土地を利用する権利が所有権ではなく借地権などである場合、敷地利用権が準共有になることがあります。

マンションの権利関係は、戸建てや単独所有の土地と比べて複雑になりやすいため、専有部分と敷地利用権を分けて理解しておくことが大切です。

敷地利用権が準共有になるケースがある

マンションの敷地利用権とは、区分所有者が建物の敷地を利用するための権利です。敷地が所有権であれば共有持分になりますが、借地権などの場合は準共有持分として扱われます。

例えば、借地上に建てられたマンションでは、区分所有者が土地そのものを所有しているわけではありません。土地を利用する権利を複数の区分所有者で持つため、準共有の状態になります。この場合、専有部分の売却や相続を行う際には、敷地利用権の内容もあわせて確認する必要があります。

区分所有建物と敷地権の関係

区分所有建物では、専有部分と敷地利用権が一体として扱われるのが一般的です。マンションの部屋だけを売却し、敷地利用権だけを切り離して残すことは通常できません。

敷地権として登記されている場合、専有部分の登記と敷地利用権が結びついています。そのため、売買や相続の際には、部屋の所有権だけでなく、敷地権の種類や割合も確認することが重要です。

マンションの準共有持分を判断する際は、登記簿上の敷地権の表示を確認し、土地の権利が所有権なのか借地権なのかを把握しておきましょう。

準共有持分の割合の決め方

準共有持分の割合は、権利を取得した経緯によって決まります。準共有状態になった時点で、誰がどの割合で権利を持つのかを確認しておくことが大切です。ここでは、準共有持分の割合の決め方を紹介します。

契約や合意で決める場合

複数人で借地権や信託受益権などを取得する場合、準共有持分の割合は契約や合意によって決めるのが一般的です。例えば、取得費用を2人で半分ずつ負担した場合は、それぞれ2分の1ずつの準共有持分とすることがあります。

一方で、負担額に差がある場合は、その負担割合に応じて持分を設定することもあります。持分割合は、後から口頭で確認しようとしても認識がずれる可能性があります。契約書や合意書に割合を明記し、収益や費用の分担方法もあわせて決めておきましょう。

相続で準共有になる場合

相続によって借地権や賃借権などを複数の相続人が引き継ぐ場合、準共有状態になることがあります。この場合、準共有持分の割合は、遺言書の内容や遺産分割協議によって決まります。

遺言書がなく、相続人同士で分け方を決めていない場合は、法定相続分をもとに考えることが一般的です。ただし、実際には相続人のうち誰が権利を使うのか、地代や管理費を誰が負担するのかも問題になります。

相続による準共有は、権利関係が複雑になりやすい傾向があります。持分割合だけでなく、利用方法や費用負担についても話し合い、必要に応じて書面に残しておきましょう。

準共有持分の管理・変更に関するルール

準共有持分では、どのような行為を行うかによって必要な同意の範囲が変わります。軽微な維持管理であれば各準共有者が単独で行える一方、権利の使い方を変えたり処分したりする場合は、他の準共有者の同意が必要になります。

ここでは、準共有持分の管理・変更に関するルールについて紹介します。

保存行為は各準共有者が単独でできる

保存行為とは、準共有している権利の価値を維持するための行為です。権利を守る目的で行うものなので、各準共有者が単独で行えるとされています。しかし、保存行為を理由に権利の内容を大きく変えることはできません。あくまで現状を維持するための行為に限られます。

管理行為は持分の過半数で決める

管理行為とは、準共有している権利を通常の範囲で利用・管理するための行為です。管理行為については、準共有持分の価格の過半数で決めるのが基本です。

ここで重要なのは、人数の過半数ではなく、持分割合の過半数で判断する点です。準共有者の人数が多い場合でも、持分割合の大きい人の意向が管理方針に影響しやすくなります。

変更・処分行為は準共有者全員の同意が必要

変更・処分行為とは、準共有している権利の内容を大きく変えたり、権利そのものを処分したりする行為です。このような行為には、原則として共有者全員の同意が必要です。

しかし、自分の準共有持分だけを譲渡できるかどうかは、対象となる権利や契約内容によって変わります。特に借地権や賃借権では、地主や貸主の承諾が必要になる場合があるため、事前に契約内容を確認しておきましょう。

準共有持分でトラブルになりやすいケース

準共有持分は、複数人でひとつの権利を持ち合うため、管理や処分の方針が合わないとトラブルになることがあります。特に、準共有者の一部が話し合いに応じない場合や、権利をどのように分けるかで意見が対立する場合は注意が必要です。ここでは、準共有持分でトラブルになりやすい代表的なケースを解説します。

準共有者の一部が管理・処分に協力しない

準共有している権利を管理・処分するには、行為の内容に応じて他の準共有者の同意や協力が必要になります。そのため、準共有者の一部が連絡を取れない、話し合いに応じない、必要書類の提出を拒むといった場合、手続きが進まなくなることがあります。

特に、権利全体を譲渡したい場合や契約内容を変更したい場合は、準共有者全員の同意が必要になるケースがあります。一部の人だけで進めることは難しく、売却や利用方針の決定が長引く原因になります。

準共有者同士で意見が合わない場合は、まず権利の内容や持分割合、必要な同意の範囲を確認することが大切です。話し合いが難しい場合は、早めに専門家へ相談し、手続きの進め方を整理しましょう。

準共有物の分割方法をめぐる対立が起こる

準共有状態を解消したい場合、準共有物の分割方法をめぐって対立が起こることがあります。現物で分けられる権利であれば分割しやすい場合もありますが、借地権や信託受益権のように簡単に分けられない権利もあります。

分割方法には、権利そのものを分ける方法、他の準共有者に持分を買い取ってもらう方法、権利全体を売却して代金を分ける方法などがあります。ただし、どの方法を選ぶかで各準共有者の利益が変わるため、合意がまとまらないことがあります。

分割方法をめぐる対立を防ぐには、準共有になった段階で将来的な処分方法や費用負担について話し合っておくことが大切です。すでに対立している場合は、無理に当事者だけで解決しようとせず、準共有物分割請求などの方法も含めて対応を考える必要があります。

準共有状態を解消する方法

準共有状態が続くと、権利の管理や処分について他の準共有者との調整が必要になります。話し合いで解決できる場合もありますが、意見が合わない場合は、法的な手続きや持分の譲渡などによって準共有状態を解消する方法があります。

どの方法が適しているかは、準共有している権利の種類や契約内容、他の準共有者との関係によって変わります。

準共有物分割請求

準共有物分割請求とは、準共有状態を解消するために、他の準共有者へ分割を求める手続きです。話し合いで分割方法が決まらない場合は、裁判所を通じて解決を図ることがあります。

分割方法には、権利をそのまま分ける方法、準共有者の一部が他の持分を買い取る方法、権利全体を売却して代金を分ける方法などがあります。

ただし、準共有の対象が借地権や賃借権のような契約上の権利である場合、契約相手の承諾が必要になることがあります。準共有物分割請求を行う前に、対象となる権利の性質を確認しておきましょう。

自分の準共有持分のみを譲渡・放棄する

準共有状態から抜けたい場合、自分の準共有持分だけを譲渡または放棄する方法もあります。自分の持分を他の準共有者に譲渡できれば、権利関係を整理しやすくなります。

ただし、準共有持分を自由に処分できるかどうかは、対象となる権利によって異なります。借地権や賃借権では、地主や貸主の承諾が必要になる場合があります。また、信託受益権や知的財産権でも、契約や法律上の制限を確認する必要があります。

放棄する場合も、他の準共有者に権利が帰属することで税金や費用が発生する可能性があります。譲渡や放棄を選ぶ際は、手続き後に誰が権利を取得するのか、費用負担がどうなるのかを確認したうえで進めましょう。

準共有持分についてお悩みの方は「持分ガイド」に相談!

準共有持分には、法律・税務・不動産の問題が複雑に絡み合います。「誰に相談すればいいかわからない」「業者に連絡したら強引だった」という声は、後を絶ちません。

[共有持分・売りづらい不動産を相談する]

持分ガイドは、共有持分の問題解決に特化した相談窓口です。 専門家が直接対応するため、たらい回しや的外れなアドバイスとは無縁です。まずは状況をお聞かせください。相談・査定は完全無料、秘密厳守でお受けします。

■持分ガイド 3つの安心

  • 相談・査定 0円 月間相談件数800件以上の実績

  • 急ぎの相談にもスピード対応

  • 専門家(不動産鑑定士・弁護士)が直接担当

[共有持分・売りづらい不動産を相談する]

準共有持分に関するよくある質問

準共有持分は、共有持分と似たルールが適用される一方で、対象となる権利が所有権以外である点に違いがあります。そのため、どの法律が適用されるのか、自分の持分だけを売却できるのかを確認しておくことが大切です。準共有持分に関してよくある質問を解説します。

Q. 準共有と共有はどちらも同じ法律が適用されますか?

準共有には、民法上の共有に関する規定が準用されます。そのため、保存行為は各準共有者が単独ででき、管理行為は持分の過半数、変更・処分行為は原則として全員の同意が必要になるなど、基本的な考え方は共有と共通しています。

しかし、準共有は所有権以外の権利を対象とするため、権利の種類によっては別の制限を受ける場合があります。

Q. 準共有持分は単独で売却できますか?

準共有持分は、自分の持分だけであれば単独で売却できる場合があります。ただし、必ず自由に売却できるとは限りません。準共有の対象が借地権や賃借権の場合、地主や貸主の承諾が必要になるケースがあります。また、信託受益権や知的財産権でも、契約内容によって譲渡が制限されていることがあります。

準共有持分とは「所有権以外の権利」を複数人で持つ状態

準共有持分とは、借地権や賃借権、信託受益権といった所有権以外の財産権を複数人で持ち合う状態のことです。準共有持分は管理や処分のルールは共有持分とほぼ同じですが、対象となる権利の種類によって扱いが異なる場合もあるため、判断に迷う場合は専門家に相談しましょう。

担当者

株式会社CLOUD HOMe 主任

本橋 陽加里

売却・買取・活用など、ご事情に合わせた選択肢をご案内します。相続・空き家・共有名義など「何から相談すればよいかわからない」段階からでも安心。最初から答えが決まっていなくても、一緒に整理していきましょう...

リストに戻る

カンタン60秒

email

共有持分・売りづらい不動産を相談する